ふぉうりんの借家開設4周年記念イラスト御礼SS
『これって事故でしょ？』
文章：ふぉうりん、挿し絵：daic
雨が振ってきた。不幸にも傘を忘れてしまった。
天気予報では、降水確率は低かったのに。
最近の天気予報は当てにならないなと太助はぼやいた。
幸い雨の降り具合は小雨程度だった。このくらいならば、走って帰れば多少濡れるくらいで平気かな？とたかをくくった。
しかし、それが間違いだった。
下駄箱から駆け足で校門をくぐり通学路に出ると、雨脚は急に強くなり、いつしかどしゃぶりと呼べるほどの勢いに変わる。
あっという間に太助は濡れ鼠になってしまった。
このまま学校に引き返しても、何処かで雨宿りしても、身体を冷やして風邪を引くだけなので、大急ぎに家路につくことにした。
「ただいま」
「おかえりなさい。太助様」
「うひゃー。酷い目にあったよ」
と太助は言いながら、脱衣所に走った。
「太助様。今…」
後ろからシャオが何か言っていたが、太助は一刻も早く熱いシャワーを浴びて、冷えた体を温めたかった。
がらがらと勢いよく脱衣所の戸を開くとそこには…。
「あ、主殿？」
「き、キリュウ？」
そこには一糸纏わぬキリュウの姿があった。おそらく風呂上りだろう。
突然の出来事に驚いたキリュウは、ぺたりとその場に座り込み、反射的に胸だけは自らの腕で覆って隠した。
「ご、ごめん。でも、どうしてここに？」
「それはこっちの台詞だ」
そういえば先ほどシャオに何か言われたような気がしたが、まったく聞いてなかった。
シャオが言いたいかったのはきっとこのことだったのだろう。
「主殿。もうしばらく待たれよ。すぐ着替える」
「あ、ああ」
と太助は生返事をするがキリュウから目が離せなかった。
目の前に裸の女の子が居れば「見ちゃいけない」と思いつつも目がそちらに行ってしまう。
心が清くても中学生。身体は欲望に正直だった（笑）
「いや、主殿。そんなに凝視されても困るのだが…。それとも主殿は私の裸に興味があるのかな？」
このおかしな状況に慣れてきたのか、それとも余裕が出てきたのか、キリュウは挑発めいたことを口にして、
彼女らしからぬ笑顔で微笑んだ。
おしまい
あとがき（言い訳ともいう）
この後、太助とキリュウがどうしたかとか、シャオが割って入ってくるとか、
色々と想像を巡らせるのは、読者諸氏のお仕事ということで（笑）
私は妄想のネタ振りだけ提供しつつ投げっぱなしで話を締めくくります。
daicさん素敵なイラスト本当にありがとうございました。
ふぉうりん
2004年9月17日
あとがき
こんにちはぁ♪daicです。
ふぉうりんさんの誕生日とサイト開設4周年と言うことで、
半ば嫌がらせ的にキリュウのヌードなイラストを送りつけてしまったん
ですが、快く（？）SSを書いてくださいました。
本当にありがとうございます〜。
これからもこーゆーイラストをいっぱい送りつけちゃいますね♪
daic（＠スーパーひたちで仙台から帰京中）
2004年10月2日
共同企画
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