◆まもって守護月天・ショートストーリー◆

『こんな試練はいかが?』

文章:ふぉうりん、挿し絵:daic




「主殿。試練だ。」

「なっ、なんだ? キリュウその格好は!?」








キリュウ








 キリュウは大きく息を吸い込んで、彼女にしては珍しく芝居っ気たっぷりに可愛らしく(!)この後の試練を言い放った。


『(アキト)主は私の王子様♪』

『(アキト)主は私のことが大好き!』

『(アキト)主は私の…』


ドガッ! バキッ! ゴキャ!


 台詞途中で四方から拳やら蹴りやらその他が飛んできた。勢い良く吹っ飛ばされ、3メートルは転がったキリュウは頭を押さえながら、よろよろと立ち上がり呻くように呟いた。


「この格好したからには、一度は言わなければいけない台詞試練かと思ったのだが…。よもやここまで過剰反応されるとは思わなかった。」

 台詞通りに読んだ試練を与えただけで袋叩きあったキリュウが気の毒でならなかった。

『馬鹿ばっか…』

 乎一郎が、部屋の隅で肩を竦めながら、ため息混じりで呟いていた。





あとがきです
私の腐れネタ力とdaicさんの御協力により以前から練ったいた、駄目駄目な『ミスマルユリカキリュウ』ネタを世に出すことが出来ました。感謝♪感謝♪です。
と、言う訳でこのネタ文章をdaicさんへ捧げます。
daicさん本当にありがとうございましたm(__)m

言わずともがな、最早私のお家芸の声優ネタです。
『桑島法子』さんはキリュウ役&今回のコスプレの『ミスマルユリカ』役の声優さんです。
最後は乎一郎役こと『南央美』→『ホシノルリ』で締めくくりましたが(笑)

誰がキリュウさんをぶん殴ったは秘密です。やりそうな人たち結構しますからね(笑)ともあれ『公開試練』でなければ太助君がどぎまぎする似非らぶこめになれたんですが(笑)
コミカルにまとめようと思いまして今回の形となりました。

追伸:ネタが分からない方々…ゴメンなさい





◇このお話に来る前の前振り〜◇


「おっ、キリュウ良い所に来たな、ちょっとこっち来いよ。」

キリュウは那奈に呼び止められ、誘われるままに部屋に入っていった。

「いかがされた? 那奈殿?」

「いや、ちょっと暇つぶしにビデオでも観てたんだけどさ。あんたも観ていきなよ。」

「いや、あいにく私は、次の試練を考案しなくてはならないのでな。悪いが他を当たってくれないか。」

「そんなこと言うなよ。冷たいなぁ。だいだい考え事なんて、ビデオ観ながらでも出来るじゃないか?」

「ようするに、一人で観るのも難だから、誰でも良いから付き合えと言うことか?」

「まっ、そうゆうこと。」

キリュウは小さく肩を竦めて一つ短いため息をついたあと、観念したかのように絨毯に座り込んだ。

「一時間だけだぞ。」

「さっすが話が分かるねぇ。キリュウ。」

「次の試練の閃きに繋がるものが見つかれば良いのだがな…。」

〜鑑賞中〜

で、一時間後

「どうだった?」

「そうだな。無茶苦茶なところはあったが、試練に使えそうなものはあったかもな。」

「だろだろ? あたしとしては、主役の子の声があんたに似てると思ったんだだけど…。」

「そうか? 言われて見ればそうかも知れないな。」

「じゃ、試しに一つやってみるか?」

「そうだな。」

………モノマネ中

「どうだ?」

「似てた。つーか、そっくり。」

 そこで那奈は閃いた。

「なぁ。キリュウ。こんなのどうかな? 耳かせ。」

「なんだ? 那奈殿。」

「ふー。」

「ん(はぁと)」

 キリュウは普段の彼女らしからぬ甘い声を切なげに出し、悩ましげにその身をよじった。

「な!? 何をするんだ!?」

 我に返ったキリュウは那奈の顔を自分の耳元からひっぺがし、少し荒い息を吐きながら軽く見上げるようなかたちで那奈を睨みつけた。

「いや、可愛らしい耳が目の前に現れたもので、つい…。」

「『つい』で耳に吐息を吹きかけられてはたまらん。」

「まぁ、硬いこと言うな。減るもんじゃないんだから。」

「減ってたまるか!」

「ま、ま、気を取り直してな、今度はしないから」

「今度やったら、いくら那奈殿でも『試練』与えちゃる。」

「はいはい。いいから耳かせ。」

 キリュウはまだ不信感は多少あったにしろ、一応那奈の言うと通り耳をかした。

「…でな、ごにょごにょごにょ…。」

「ふむ、それはなかなか面白い…じゃなかった、良い試練になるかも知れんな。」

「だろ? どうせやるんだったらもっと格好から入っていかないか?」

「どういうことだ?」

「あたしに良い考えがあるんだ。」

 そんな訳でこの後シャオが那奈に呼ばれて、彼女にビデオ見せてから、那奈姉に『この格好をキリュウに』…なんて話になって、今回の試練に至ります。


おしまい


あとがきのようなもの
先にこっちを載せても良かったんですけど、インパクト重視にしたかたものですので…つい(笑)





あとがき
こんにちはぁ♪daicです。
カラオケで「You get to burning」を歌ったとき、ノリでふぉうりんさんが思いついてくれたネタです。 で、daicも悪のりしてサクッとユリカなキリュウを描いたところ、ふぉうりんさんがステキなSSをつけて 下さいました!最高です♪
ちょっと声優ネタでマニアックですが、楽しんで頂けましたでしょうか?


2002年3月14日 daic




共同企画

ふぉうりんの借家 ふらっと☆すてーしょん






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