クモハ12型電車(JR東日本・鶴見線)

入線してくるクモハ12

正式な形式:12形制御電動車MC(クモハ)
平成8年春まで、鶴見線、大川〜武蔵白石間1キロを走っていた旧式電車。 この区間の急カーブを新式電車では曲がれないため、最後まで現役で活躍した。 しかし、車体の老朽化と補修用部品の不足のため、平成8年の春をもって引退した。 引退後は、2両のうち1両は廃車、もう1両は動態保存されている。 このクモハ12は、全国に残っている数少ない旧式電車で、引退する際には多くの 鉄道ファンに惜しまれた。
左の写真は、武蔵白石駅に入線してきたクモハ12の姿である。

停車中のクモハ12

左の写真は大川駅に停車中のクモハ12。
ちなみに、鶴見線は川崎の京浜工業地帯の中をはしるJR線である。 上記の大川〜武蔵白石間以外は、当時から黄色の103系3両編成で運転さて いた。現在では、この区間も103系電車が運用されているが、急カーブの関 係で武蔵白石駅に停車できず、大川〜安善の運転になっている。 鶴見線海芝浦駅には、一度行ってみることをお勧めする。

クモハ12の車内

左の写真はクモハ12の車内。今時、照明が電球だったりする。
なお、電車はモーターの取り付け方によって、新式と旧式とに分けられる。 旧式電車は、モーターの重量の半分を車軸にかけるのに対し、新式電車は、 モーターの重量を車軸にはかけない。旧式電車の、この方式を”吊りかけ式” と呼んでいる。力走時、うなるような音がするのが特徴である。 新式電車は90系通勤電車(現在の101系)からである。 身近な旧式電車としては、東武鉄道5000系があげられる。

クモハ12の車体

左の写真はクモハ12の車体側面。車体はリベット打されているのがわかる。
前述の101系電車とは4ドアの通勤電車のこと。103系の前の系統。 最初、山手線に配属され、その後全国に広がった。 103系は101系のギア比を落した近距離ヴァージョン。 現在、首都圏では103系に置き換わりめったにみられない。 ただ、外見上は103系の低運転台車両と変わらない。 この車両は総武線の緩行線と京葉線の一部に使われている。



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