◆まもって守護月天・ショートストーリー◆

『夢のムコウへ』

文章:元、挿し絵:daic



シャオリン 今日も私は夢の中。
夜空に翼を広げ、駆けている。
翼の導く先に、あの人がいる。
真っ暗な夜空を貫く、白い月明かりでできた道。
きっとあの人の元へ続いている。
だから私は駆けていく。
急いで急いで駆けていく。
夜が明ける前に。
月明かりの道と、背中の翼が消える前に。
けれど、いつも間に合わない。
今日もあの人に届く前に。
夜が明ける。
目覚めの兆しを感じながら、私は私に戻ってゆく。
今日もこの夢の中、あの人に会えなかったけれど。
それは少し残念なだけ。
だって目が覚めたら、きっと会えるから。
眠そうなあの人の顔に、私はいつもの通り、こう言いましょう。
「おはようございます、太助様♪」




共同企画

えれくとら ふらっと☆すてーしょん






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