◆まもって守護月天・ショートストーリー◆

注:このお話は、ふぉうりんさんが書かれているシリーズものの三話目です。初めての方は ふぉうりんの部屋さんの 一話 からご覧になることをお勧めいたします。



『魔女っ子しゃおりん 第3話 「しゃおりん学校デビュー?」の巻』

文章:ふぉうりん、挿し絵:daic



 魔界第6世界、第18層、最も深き宵闇より生まれ出る者『魔王翔子』彼女の人間界への来訪により、世界は闇に包まれる。そして、ひょんなことから、小夜の幼馴染『七梨太助』も魔王にさらわれる。この危機を救えるのは、小夜の変身した『しゃおりん』しか居ない。はたして世界は? 太助の運命は!? 小夜は果たして魔王翔子の魔の手から、太助を救い出せるのか?

「くぉら。」
 げしっ
 後頭部に鈍い痛みが走りました。
「痛いです。なにをするんですか? 翔子さん。」
「なにする? は、こっちのセリフだ。お前こそ一体なに言ってやがるんだ!?」
 真面目に問い詰められると困ってしまうものです。ちょっとした悪戯心からですから。
「いえ、その、ちょっとした悪ふざけを…。」
「ほう、いい度胸だな。小夜。」
 翔子さんの口調はまるでジャイ○ンでした。『小夜のくせに』とかいう差別用語を使われない分幾らかマシですが・・・。

 では、気を取り直して本編へ!

「させるかよ!」

 ゲシッ!

 嗚呼、刻(とき)が見える…。





「いってきま〜す。」
 今日もいい天気、なんだか素敵な一日が過ごせそう。
「いい天気でしね。小夜しゃん。」
「そうね。離珠ちゃん。お願いだからおもてに出たらあんまり喋ったり顔だしたりしないでね。」
「はいでし。今日は小夜しゃんの学校を見てくるでし。虎賁しゃんも一緒でしよ。」
「離珠。誰に向かって喋ってるんだ?」
「虎賁しゃんはいちいちうるさいでしね。離珠達からは見えない読者の皆さんでしよ。」
 あまり聞きたくないような言い合い聞こえてきます。放っておくことにしましょう。
「あっ、翔子さん。」
「おはようさん。小夜。」
「翔子さん。おはようございます!」
 私の心友の翔子さん。この前から巻き込まれて『魔王少女』にされてしまったりと、案外私よりも幸薄いかも知れません。
「小夜。今なにか聞き捨てなら無いことを考えなかったか?」
「い、いえ。べつに…。」
 翔子さんの勘の鋭さは野生動物並です。侮れません。
「おっす。不良ねえちゃん!」
「なんだ? 虎賁。朝からいきなりご挨拶だな?」
「おやおや? 怒ったかい?」
「別に、あんたにかしこまられて『翔子さん』なんて言われる方が気色悪い。だからそのままでいいよ。」
 と笑いながら言いました。そんな風に楽しく談笑していると、
「おはよう。小夜。山野辺。」
「おはよう、七梨君。」
「おっす。七梨。」
「なんだか楽しそうだな? なんかいいことでもあったのか?」
 言われて私と翔子さんは顔を見合わせます。さっきまで4人で楽しく会話をしていたのだから、それはさぞ楽しそうにみえたでことしょう。でも、七梨君には、離珠や虎賁のことは秘密です。多分。七梨君には喋っても平気だと思うんだけど、これ以上彼等のことを知っている人たちが増えることを、お母さんも南極寿星もあんまり良い顔をしません。
 七梨君には、バレてしまったときにきちんと話そう。大丈夫、彼ならきっと平気なはずよ。だって前に一度、虎賁には会っているんだから・・・あっ、私が『しゃおりん』だってことがばれるってことか…それはとっても恥ずかしい・・・なんであの時、嘘なんてついたんだろう? 七梨君に隠し事するのは後ろめたいし・・・自分で深みにはまってるわ。私ってばか?…とほほ。
 などと、私が心の中でワンマンショーをして、その上更に一人乗り突っ込みの挙句、墓穴を掘ったことに気がついて、一人いじけているのを、まったく何事も無かったかのごとく、翔子さんと七梨君の雑談が弾んでいました。なんか悔しい。気づいて欲しいけど、気づいて欲しくない、複雑な乙女心(はぁと)
「でさ、この前出たやつ。」
「ああ、それ? あたしも今やってるよ。」
「え? 何処まで進んでる?」
「『時計塔の番人』のところ。」
「ああ、俺まだそこまで進んでないや。」
「七梨は何処まで進んだ?」
「あ、俺? まだ『一本桜花町の大泥棒』のところだよ。」
「そっか、そんな素敵なことを聞いちまうと、思わずネタをばらしたくなるんだよなぁ…。」
 そういって翔子さんはニヤリと悪人笑いをしました。
「や、山野辺、それはやめろよ。」
「ああ、口が勝手に先の展開を喋ってしまいそうだ・・・。」
 翔子さんの言葉はかなり棒読みで大根役者っぷりを振りまいてます。というか翔子さんは七梨君に言う気満々です。
「そうそう、七梨君、ひとにものを頼むときは『やめろよ』はあまり良くないと思うよ?」
「く、くそっ・・・。や、やめてください…山野辺さん。」
 と、下唇噛みながら心の底から口惜しそうに翔子さんに懇願しました。
「ん? 聞こえんなぁ。」
 鬼、もとい『魔王』がいました。やっぱり彼女は『魔王』です。
「こ、このやろ・・・あとで憶えてろよ。(聞こえないくらいの小声)…やめてください…山野辺さん。お願いします。」
「そうか。七梨君は先の話はあまり聞きたくないんだね? あたしの進んでる所まで、追いつくことを楽しみにしてるよ。はっはっは。」
 まるで、年貢を搾り取る悪代官かなにかのような口ぶりで、大変満足そうに言っていました。
「絶対追い抜いてやる・・・」
 傍で聞いてると、頑張ってもあまり人生の役に立ちそうも無いことに七梨君は闘志を燃やしていた。ふたりがこんなに楽しそうにしていると、話の内容が今ひとつ判らない私にも、楽しい気持ちは伝わってきます。鞄を覗き込むと離珠達も楽しそうに笑っていた。
 そんな楽しい会話が弾んませながら私達は学校へ到着しました。


 ガラガラガラ
 音を立てて教室の扉を開きました。
「おはよう。」
 私達のクラスは2年1組、学年では割と名物クラスなの。
「おっす。太助。小夜ちゃん。山野辺。」
「おはよう。野村君。」
 私達に元気に声を掛けてくれたのが野村君。こと『野村たかし』君。クラス委員をやってるの、彼曰く『もっとも○○が似合う男』らしいんだけど、いつも肩書きが変わるのよね。不思議。でも頑張り屋さんなんだと思う。
「おはよう。太助君。山野辺さん。天野さん。」
「おはよう。遠藤君。」
 遠藤君こと『遠藤乎一郎』君。七梨君や野村君とは心友同士。ちょっと控えめなひと、そういう意味では私と親近感あるかな? 時々翔子さんに『小夜と遠藤ってキャラが被ってるときあるよな?』って言われるし。誉められてるのか、ちょっと気になるけど・・・。
 七梨君達とわたし達で、仲良しグループが一応出来上がってるんだ。一応野村君がリーダーってことになってるの。でも本当のところリーダーは翔子さんなんだけどね。こうやって私達の学校での一日が始まる。




 キーンコーンカーンコーン

 授業の合間の休み時間「つかの間の休息」なんて表現をすると、なんだか格好良いかもね。元気な声教室に響く。
「七梨せ〜んぱい(ハート)次の授業、移動教室なんで、ついよっちゃいました! えへへ。」
 少し照れ笑いを浮かべて、その子は言いました。
「げっ、愛原。」
「七梨先輩。ひとの顔見ていきなり『げっ!?』は酷いですよ。もう。」
「そうよ。七梨君、花織ちゃんに悪いよ。」
「悪い・・・愛原。つい。」
「ついなんですか?」
 花織ちゃんがちょっと(?)怖い顔で七梨君を睨む。
「相変わらずこえ〜なぁ。乎一郎。」
「たかし君、僕に同意を求めないでよ。」
「あ? そうか。悪いな。」
『愛原花織』ちゃん。一つ下の一年生の女の子。どういう訳か七梨君にアタックしてくる女の子。つまり。私のライバル・・・なんだけど・・・
「あの、小夜先輩。」
「なあに?」
「今度、美味しいクッキーの焼き方教えてくださいね。」
「ええ、いいわよ。」
 とわたしはにっこり笑って答えた。で、何故か私のことも慕ってくれているので、邪険にも出来ないの。気持ちはちょっと複雑。
「花織。なにやってるの? もうあんまり時間ないよ。」
 花織ちゃんのお友達(たしか『ゆかりん』あだ名の子だったかな?)が花織ちゃんに声を掛ける。
「え? もう? うん、分かった。今行く。じゃ、七梨先輩。また来ますから。それじゃあ失礼しますね。」
 とてててと駆け足で教室を出て行きました。まるで小さな嵐のようでした。
「相変わらずパワフルだね。花織ちゃん。」
「そうね。」
「なぁ、太助。花織ちゃんと付き合っちゃえば?」
「え? なんでそうなるかな?」
「だってお前、他に好きな子とか居ないんだろ?」
 わたしとしては非常に気になる発言です。
「えっと、その…一応、好きな子居るし…。」
 なんですと!? これは驚きです。というか、是非とも聞き出したいところです。
「え? 太助初耳だぞ? そういうことは大親友の俺に報告しないでどうるよ? な乎一郎。」
「え? ああ、うん。…そうだね。」
「で、太助お前の好きな子ってどんな子なんだ? このクラスの子か?」
「いや、それがさ、詳しくは何処の誰だか分からないんだ。」
「なんだそりゃ?」

 キーンコーンカーンコーン 

 どうやらこのお話はここまでのようです。
「小夜。耳がダ○ボになってるぞ。」
「え?」
 またダン○とは古い表現を…わたしは耳で空を飛ばないといけないんですか?
「翔子さん。中学生らしくない突っ込みですよ。」
 丸めた教科書が頭上に降りそそぎ、パカッと乾いた音が教室に響きました。


 お昼休みです。わたしは家から自分で作ったお弁当を持ってきました。翔子さんと野村君は、購買部でパンを買うみたいです。
「よっしゃ、昼だ! 野村、購買部まで勝負しないか?」
「ふっ、いいのかな?『最もダッシュの早い男』この野村たかしに勝負を挑むとは、笑止千万 愚の骨頂。身の程知らず、井の中蛙というやつだ。」
 と、一通り口上の述べた後、あっはっはっはっは! と胸を反らせて大笑いをしていました。
「たかし君。」
「なんだ乎一郎?」
「たかし君の台詞が長いから山野辺さん、さっさと行っちゃったよ。」
「なんだと!?」
「『ひとの言葉は最後までしっかり聞きなさい』って、先生だって言ってるじゃないか? 山野辺、あいつめ…。」
 毎度のことですがいつ見ても飽きません。わたしはおもむろに机をごりごりと音を立てながら移動させます。
「おじゃまします。」
「へいへい。どうぞ。」
 七梨君の机とくっつけて一緒に昼食を摂るのは最早日課のようなものです。
「さて、俺もめしでも食うかな?」
 七梨君は自分の家らお弁当を持ってきてます。お母さんのさゆりさんの特製お弁当で『愛』が沢山詰まってるそうです(さゆりさん談)
 では、わたしも、お弁当を…

きゃあああああ!!

 と聞き覚えのあるこえの悲鳴をききつけました。いやな予感バリバリですが、そんなことは言ってられません。
 ベランダから外の様子をうかがうと、なんと愛原花織ちゃんが野良犬に追いかけられるじゃあありませんか! 理由はどうあれ、これは放ってはおけません。とりあえず、野次馬が来ないような人気の無いところへ走ります。

離珠 『小夜しゃん変身でし!』
「え?変身する必要あるの?」
 はっきり言って余計に恥ずかしいです。
「ここは格好から入るのが大切でしよ!」
「なんですと!?」
「女御しゃん、お願いするでし!」
 離珠の合図を待ってましたかのように(なんかこの辺は『先生お願いします』のノリだった)女御が支天輪から飛び出し私の周りをくるくると回るそんな風に悠長に解説してる間にも私の服は剥かれていくのですが…
「うそ〜ん!?」
 絶対私の都合なんて考えてないよ。あんまりだよぉ。きっとこの辺りのくだりは、イラストの都合とかが絶対噛んでるに違いない…。<この辺の記憶と志向は神(著者)の手により消されました(笑)
 はっ! 今、私は何を? なんだか作品的に決して考えてはいけないような事を考えてしまったような気がする。それに数秒前の記憶が無い…

 そんな訳で変身終了。

『こっ、この格好は!?』

 わたしは自分の服の短いスカートの丈をつまみながら叫びました。そして不意に、ある日リビングで国営放送のアニメを離珠達と一緒に見ていた女御の姿を思い出してしまいました。
「小夜しゃん。星神しゃんは『れりーず』って叫んで呼び出すんでしよ!」
 離珠が関西弁でないのが、こころなしか残念なのはきっと私の気のせいでしょう。
「ええぇぇぇぇぇぇえぇ!?」
 当然の如く私は驚きの声を上げた。どちらかというと私はこっちの格好じゃなくて、カメラ回してる女の子の方が合ってるような気がするんだけど…。
(大道寺知世&コミックCD版シャオ=CV:岩男潤子さん)
「仕方が無いので、さっさと片付けます。」
「なんだか、なげやりでしねぇ。」
 いちいち返事をしている暇もありません。一分一秒でもこの格好から元の姿に戻らなくては!
「来々『車騎』!」
 って、出てきてくれません。
「え? やっぱりやるの?」
「はいでし。」
「星神『車騎』レリーズ」
「小夜しゃん! 声が小さいでし! そんなんじゃ車騎しゃんは出てきてくれないでしよ!」

『星神『車騎』レリーズ!』

 もう自棄です。私は叫びました。杖の先の支天輪が輝きだし、星神『車騎』が現れました。
「このまんまじゃダメかなぁ?」
「なにがでしか?」
「ここから、車騎の威嚇射撃で追い払うの」
「それはダメでし、魔法少女の王道に反するでし!」
 当然のように、王道を語る離珠、完全にこっちの風習(?)に毒されてるわ。誰かわたしを助けて!(切実)
 そんな間抜けなやりとりをしている間に花織ちゃんが、犬に追い詰められていました。はっきり言ってピンチです。車騎なんていちいち使ってられません。外れたら一大事だし。
『星神『軒轅』レリーズ!』
「軒轅急いで!」
 軒轅はいななき、高速で花織ちゃんと野良犬の間に入りました。
「さ、乗って!」
「え?」
 花織ちゃんはどうも、状況が飲めてないみたい。そりゃそうでしょうね。いちいち説明している暇はないので、実力行使です
「軒轅お願い」
 軒轅に無理やり乗せて飛ばせます。これで彼女はひとまず安心です。あとは、この野良犬をどうにかするだけです。
 ぐるるるる
 威嚇されてますが、怖がっている場合ではありません。わたしの最優先事項は、この格好から一秒でも早くもとの姿に戻ることなのですから、怯えてる暇なんかありません。
「離珠ちゃん。獣の星神は居る?」
「天陰しゃんでし。」
「わかったわ!」

『星神『天陰』レリーズ!!』

 杖の先の支天輪が輝き、一瞬で山羊のような立派な角を生やした大きな獣が現れました。
 ギン!
 天陰が野犬をにらみつけます。
 びくっ!
 野良犬がすくみあがります。
 ドン!
 天陰が最後通告のように、前足の蹄を音を立てて地面に突くと、恐れ慄いた野良犬は尻尾を巻いて逃げ去っていきました。これで一件落着です。野良犬にはあまり罪はないですが、お互い怪我をしなくて良かったです。わたしは軒轅を呼び、花織ちゃんを無事に地面に下ろしました。撤収です。
「あの…」
 ああ、声掛けられちゃったよぉ。格好のこと突っ込まれたら辛いなぁ。
「あの、お名前は、」
 なぁんだ。名前かぁ、良かったぁ。と私は心の中でそっと胸をなでおろした。
「『しゃおりん』と言います。では、ごきげんよう。」
 私はこっ恥ずかしいので、とっとと軒轅にまたがり足早に立ち去りました。
「嗚呼、格好良い。」
 とかいう花織ちゃんの熱っぽいため息を聞くことはありませんでした。


「はぁぁぁ。もう嫌。こんな生活嫌よぉぉぉぉ。」
 本気のぼやきです。このところこんなのばっかりです。
「ほらほらそんなこと言ってねぇでさ。あのお嬢ちゃんが、しゃおりんに感謝してるぜ。」
 虎賁に言われて支天輪をみてみると、その真ん中には桃色の淡い光が揺らめいていた。



 翌日
「おはよう。七梨君。」
「昨日さ…。」
 七梨君の口から、昨日のしゃおりんの活躍を聞き、朝から気分が滅入りました。翔子さんまで面白がってそれに加わるものだから…酷い身内なのに…わたしは適当に相槌をうってごまかしてましたが、終始翔子さんが、笑いをこらえているの印象にのこりました。いつか同じ目に会う日が来るかも知れないのに…笑ってられるのも多分今のうちです。って、わたしってばなんてことを、どんどん性格が捻くれていくような…

 御通夜のような気分で教室に入り、テンションの低いまま朝の挨拶を口々に挨拶が交わします。そしてこんな噂話(?)が私の耳に飛び込んで着ました。
「おう、昨日のアレ見たかよ?」
「ああ、謎のコスプレ美少女!」

 がたっ! がこん! どんがらがっしゃーん!!

 よろめいた拍子に机の足にすねをぶつけ、そのまま盛大に机を3つほど巻き込んでずっこけました。ああ、机の中身でちゃったよ。後で片付けないと…
「どうした? 小夜? 大丈夫か?」
「あううう、翔子さん。あんまり大丈夫じゃありません…。」
 いそいそとわたしは床にぶちまけた中身を片付けます。片付ける手を休めずに野村君と七梨君の会話も聞き逃しません。

「なぁ、太助お前も見ただろ? あの格好は、魔法少女だよな? でも、コスプレかな? いやしかし、本物かもしれないなそれにしても謎が多いな。太助はどう思う?」
「あれは多分。本物だよ。」
「おっ、太助なんだか自身満々じゃないか。それにしても格好良かったなぁ。俺、ファンになっちゃうかも。いや、いっそのことファンクラブでも作るか?  それにしても今度現れたときが楽しみだな。」
「俺、実は、その子の名前知ってるんだけど…。」
「なに! ほんとか? 太助くわしくきかせろ!」
 と野村君は勢い余って七梨君のネクタイを掴み首を締めました。
「苦しいよ。たかし。」
「ああ、つい力が入りすぎてな。わりぃ。」

 何がいけなかったんでしょう。やっぱり人前に出たのが大失敗だったのでしょうか。もう嫌です。こんな生活嫌です。誰か助けて…私の声出来ない心の声を誰か聞いて欲しいの。私は頭を抱えてしゃがみこみました。翔子さんが、わたしの肩をポンポンと軽く叩き、気の毒そうに首を左右に振って『諦めろ』というポーズをとっていました。


 哀れ小夜。彼女の苦悩ほ日々は続く…のか?

魔女っ子しゃおりん 第3話
「しゃおりん学校デビュー?」の巻



あとがき
どうも、ふぉうりんです。daicさんのリクエストにより『魔女っ子しゃおりん』第3話をお届けしました。まさか3話を書く羽目になろうとは、思ってもみませんでしたので、びっくりです。いやはや、リクエスト貰ってから半年以上も掛かりましたね。daicさんごめんなさいとありがとうです。頂いたイラストはありがたく使わせてもらいます。

ではでは、第4話を書く日が来ないことを祈りつつ

2003年4月2日ふぉうりん




あとがき
こんにちはぁ♪daicです。
ふぉうりんさんのサイトにある魔女っ子しゃおりんを拝読して、シャオにさくらちゃんみたいなヒラヒラ衣装を着せたら可愛いだろうなぁ って思ってCGを描きました。せっかく描いたのでふぉうりんさんにお願いしたら………こんなに面白いSSを描いてくださいました! 今回もシャオちゃんは大活躍ですね。素晴らしいです♪ と言うわけで、第4話もお願いしたいなぁ、なんて現在画策中です。


2002年4月11日 daic




共同企画

ふぉうりんの借家 ふらっと☆すてーしょん






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